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野球のタイブレークとは?延長戦や自責点に関する難しいルールをわかりやすく解説

野球の試合は時間制でないため展開によっては4時間を越えることも珍しくありません

好投手同士の試合となると点は入りづらく、延長戦になってもなかなか決着がつきません

そのようなときに試合決着への契機となるのがタイブレークです。

この記事では野球のルールであるタイブレークについて解説させていただきます。

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タイブレークとは

タイブレークとは、規定の試合回数を越えても決着がつかない場合に、均衡を破る目的で導入されている制度です。

このタイブレークという言葉は『タイ=同点』『ブレーク=破る』という意味を組み合わせて造られました

タイブレークは野球だけでなく、ソフトボールやテニス、バスケットボール、アメリカンフットボールでも導入されています。

じんから

サッカーのPK戦もタイブレークのひとつです。延長戦でも勝敗が決まらなかった場合、キーパーと選手1対1でゴールを決めやすい状況にしてスタートします。

野球においてのタイブレークは、その試合の規定回数を越えても決着がつかない場合に、両チームとも得点が入りやすい状況から試合を始める制度です。

基本的に野球は9回までが規定回数ですので、10回から毎回タイブレークに移行して決着をつけることが多いです。

タイブレークは大会によってどのような状況からスタートするか異なるのですが、先述した得点が入りやすい状況というのが重要です。

野球のタイブレークは大会の規定によってアウト数やランナー数、開始回数などが異なる。

プロ野球ではタイブレークを採用していない

2023年現在、タイブレークは日本のプロ野球では採用されていません

プロ野球の規定回数は9回ですので、10回以降は通常通りの延長戦にはいります。

プロ野球の延長戦は12回までで、12回までやっても決着がつかない場合は引き分けとなります。

じんから

プロ野球は半年以上という長い期間をかけて勝率1位を目指すリーグ戦ですので、無理にその一試合の勝敗を決める必要がありませんからね。

しかしリーグ戦ではなくトーナメントの場合、勝敗を決めなくてはなりません

プロ野球ではトーナメントはありませんが、高校野球や大学野球の全国大会は基本的にトーナメントで行われていますので、タイブレークが採用されています。

野球のタイブレーク

タイブレークは均衡を破るために、点が入りやすい状況から試合を再開する方式だと先述してきました。

実際に野球のタイブレークにおいて、重要なのは以下の4点です。

①何回からタイブレークが行われるか
②ランナーを何人置いてスタートするか
③何アウトからスタートするか
④打順は何番からスタートするか

これらが各大会の規定によって異なります。

じんから

選手を怪我から守るために早く決着をつけたいのか、13回から行われることが多かったタイブレークは、今は10回からが多いですね。

日本のアマチュア野球でのタイブレーク

日本のアマチュア野球では、いくつもの大会でタイブレークが採用されています。

社会人野球

社会人野球では様々な大会で、2022年以降、10回からタイブレークを行っています。

その際にはノーアウト、ランナー一、二塁、打者は9回終了時の打順を継続してスタートします。

ノーアウトでランナーを二人置いてのスタートとなるので、大量得点の可能性がありますね。

昔の社会人野球では、延長13回かつ試合時間が4時間を越えた場合にタイブレークは適用されていました。現在試合時間の規定は撤廃されていますが、以前は試合時間も関係していました。

大学野球

大学野球では2011年からタイブレークが導入されており、そのときは1アウト満塁でのスタートでした。

じんから

満塁からスタート!!ダブルプレーは取りやすいですが、本塁打で一挙四点……

2020年からは10回からタイブレーク、ノーアウト、ランナー一、二塁から、9回終了の打順を継続でスタートとなっています。

満塁はさすがにやりすぎたと思ったのでしょうか……

9回終了時の打順を継続ということでランナーもその打順と関係しています。タイブレーク開始時の打者が4番バッターであった場合、一塁ランナーは3番打者、二塁ランナーは2番打者となります。

高校野球

高校野球も大学野球と同様に、10回からタイブレーク、ノーアウト、ランナー一、二塁から、9回終了の打順を継続でスタートとなっています。

投手の連投や球数の投げすぎが懸念される高校野球ですが、このタイブレークが採用されたことによって少しは投手の負担が減ったのではないでしょうか。

しかしタイブレークに突入すると毎回ランナーを背負ったピンチの状態からの登板となるので、10回で決着つかない場合投手は精神的にかなりきついとは思います。

タイブレークがまだ採用されていない時代、松坂大輔元選手は甲子園準々決勝の対PL学園戦で延長17回を投げぬき、250球もの球数をひとりで投げています。準決勝は温存されていますが、その後の決勝で松坂投手はノーヒットノーランを達成。まさに平成の怪物です。

これはタイブレークがなかったからこそ延長17回までも試合が続き、それを投げぬいた松坂選手が怪物であることを裏付けるエピソードです。

そのような怪物的な投手エピソードは今後出づらくなってしまいますが、選手を怪我から守るということを考えるとタイブレークが採用されて良かったのではないでしょうか。

じんから

選手を酷使しないように、現在強豪校は投手の柱を何人もつくるようにしていますね。先発、中継ぎ、抑えというプロ野球のような分業制に近づいてきた印象です。強豪校ではないチームではなかなかそうできないので、そこは差ができてしまいますね。

投手成績や打者成績への影響

9回まで無失点で投げぬいてもタイブレークで大量失点してしまい、防御率が上がってしまうことを考える選手もいるかもしれません。

しかしタイブレーク開始時にいるランナーに関しては、ホームに帰ってきても投手の自責点には含めないことが規定されています。

開始時のランナーに関しては、盗塁等は記録されますが、出塁記録は残されません。

投手はタイブレークの回を2点以内に抑えれば自責点0で切り抜けられることになります。

最後に

今回は野球におけるタイブレークについてわかりやすく解説させていただきました。

タイブレークは選手の疲労や試合時間短縮を考慮して、早く決着がつくようにするために採用されたルールでした。

このルールによって少しでも怪我に悩む選手が減ると良いですね。

じんからさん

楽しめる読み物として野球情報を配信。趣味は夫婦での野球観戦とお酒を飲むこと。野球部時代は2番セカンド。