9人同士で行うスポーツである野球は、投手の球を打つ順番(打順)を決める必要があります。
この打順というのは一見単純なようでとても奥が深く、様々な場面を想定して組まれています。
1番から9番まである打順の中でも特に4番というのは重要な打順で、特に日本の野球においては強打者が多く据えられる打順なのです。
なぜ4番には強打者が選ばれるのでしょうか。
この記事では4番に強打者を置く理由についてわかりやすく解説させていただきます。
4番打者に強打者を置く理由とは
4番打者の役割として最も重要なことは、塁上にいるランナーを本塁まで帰すことです。
初回に1~3番打者のうち一人でも出塁することができれば、初回からランナーがいる状態(得点チャンス)でチーム1の強打者である四番打者に打順を回すことができます。
初回に得点することは野球では非常に有利ですからね。
もし1~3番が全員出塁した場合、満塁で4番に打順が回ってきます。その際に四番に強打者を置いておくことによって大量得点が期待できるのです。
野球の攻撃は打順の1番からはじまり、9番まで行ったら再打順度1番に戻ります。
そのため最も打席が回ってくるのは1番打者ですので、1番打者には出塁率の高い選手を置くことが定石です。
この1番打者が多く出塁することによって、その後を打つ2番打者以降はチャンスで打席に入ることができます。
二番打者
日本では二番打者はランナーを次の塁へ送ることができる打者を置く傾向にあります。
四球や安打で出塁したランナーを、送りバント(犠打)などで二塁へと進め、チャンスを広げてクリーンナップへと打順を回すのが二番打者に期待される仕事です。
一番打者が出塁できなかった場合、従来の一番打者のように出塁も求められるので、二番打者は出塁率の高さも必要です。
時には送りバントではなくヒットエンドランを仕掛けてチャンスを広げることもあるので、二番打者にはバントなどの小技が上手い選手を置く傾向にあります。
クリーンナップとは
クリーンナップ(クリーンアップ:Clean Up)とは野球の打順の3番、4番、5番のことを指す言葉です。
3~5番打者は塁上にいるランナーを返すことを期待されている打順ですので、塁上を一掃する(Clean)という意味でクリーンナップと呼ばれています
スイープも同じような言葉で使われることがありますね。
スイープについてはこちらを参考にしてください。
クリーンナップは3人ともチーム内で信頼されている打者なのですが、そのクリーンナップの中でも最も期待値が高い打者が四番打者なのです。
メジャーでは二番最強説
日本の野球ではいまだに四番に強打者を置く傾向が強いですが、アメリカのメジャーリーグでは近年二番に強打者を置く傾向にあります。
さきほど二番打者に小技が上手い選手を置くことが多いと言いましたが、メジャーでは違うのです!
二番に強打者を置く理由は、チームで最もホームランを打つ強打者には打順をより多くまわした方が、得点が入る可能性が高いというものです。
二番打者は四番打者よりも自身が打席に入るときに塁上にランナーがいる可能性は低いです。
野球は8番、9番にはそこまで出塁率の高い打者は置かないからです。
しかし四番打者よりも打席が回ってくる可能性が高いです。
2試合で1回まわってくる打席が多いだけで、年間50打席以上の差がでてきます。
強打者なら50打席あれば5本ぐらいホームラン打てそうですよね。
そのため塁上のランナーが四番打者のときよりも少なかったとしても、本塁打による得点機会の多さを重視して2番打者に強打者を置きます。
また、二番打者にすることによって確実に強打者へと初回に打席が回ってきます。
野球は先制点を獲ることによって有利に試合を進めて行くことができますので、ランナーがいなかったとしても、本塁打を打つ可能性が高い打者を初回から打席に立たせることによって先取点を獲れる確率が上がります。
チャンスでなくても初回から強打者と対戦するなんて投手も嫌ですよね。
メジャーではフライボール革命によって、守備の間を抜けるようなゴロを打つよりもフライやライナー性の当たりを重視する傾向にあります。そのためどの打者にも安打性の当たりよりも本塁打のような長打を求めていることから、塁上にランナーを貯めて本塁に帰すことよりもスタンドにホームランをどんどん放り込んでいくようなスタイルが増えています。
最後に
この記事では4番打者に強打者を置く理由について解説させていただきました。
たくさんのランナーがいる機会の多い打順である四番に、打点を挙げられる強打者を置くことで得点を入りやすくすることが目的でした。
そういった考えで現在は4番に強打者を置いているチームが多いのですが、野球のセオリーもどんどん進化しています。(二番最強説など)
新しい考えが古い考えにとって代わり、主流となっていくのもまた楽しみですね。
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