野球には同じひとつの用語でも英語と日本語での呼び方が異なります。
整理して覚えられていれば問題ありませんが、テレビの表示では漢字表記が主に使用されているので、混乱してしまう方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は野球のポジション(守備位置)の英語や漢字表記、また各ポジションの特徴を解説していきたいと思います。
この記事を読むことによって、もう混乱することなく野球観戦を楽しめるようになります。
野球のポジション番号や呼び方、特徴などを紹介
では早速野球の守備番号と呼び方を表にしますので、番号を割り振られた図と一緒に確認してください。
守備番号は1~9まで、野球は9人同士で戦うスポーツですので守備で出場している選手全員に割り当てられています。
守備番号 | 呼び方 | 英語(略字) | 漢字 | ふりがな |
1 | ピッチャー | Pitcher(P) | 投手 | とうしゅ |
2 | キャッチャー | Catcher(C) | 捕手 | ほしゅ |
3 | ファースト | First Baseman(1B) | 一塁手 | いちるいしゅ |
4 | セカンド | Second Baseman(2B) | 二塁手 | にるいしゅ |
5 | サード | Third Baseman(3B) | 三塁手 | さんるいしゅ |
6 | ショート | Shortstop(SS) | 遊撃手 | ゆうげきしゅ |
7 | レフト | Left Fielder(LF) | 左翼手 | さよくしゅ |
8 | センター | Center Fielder(CF) | 中堅手 | ちゅうけんしゅ |
9 | ライト | Right Fielder(RF) | 右翼手 | うよくしゅ |
この守備番号は高校野球まではそのままレギュラーの背番号として使用されています。
そのためプロ野球でも1桁の数字を付けている選手は「期待されている選手なのかな」という印象を受けます。
プロの場合、その球団でのエースナンバーや永久欠番というものがありますし、選手が個人的に思い入れのある背番号をつけることも多いため、守備番号通りの背番号をつけることは少なくなっています。
永久欠番ではありませんが、ヤクルトは背番号1がミスタースワローズの番号ですし、日ハムは大谷選手やダルビッシュ選手がつけていたことで背番号11が特別なものになっていますね。
プロ野球において背番号18はエースナンバーとされていますが、それは歴代18番をつけてきた投手が好投手であったからという説と、歌舞伎の『十八番(おはこ)』という言葉から得意=秀でている=エースというようになったという説があります。
ヤクルトは18番をつけていた寺島投手が戦力外になってしまったので、18番は奥川投手がつけることになりました!来季の復活に期待です。
なぜ野球は漢字が多いのか
野球はアメリカで生まれたスポーツですので、もともとの用語・言葉はすべて英語です。
1872年に教師としてアメリカから来日したホーレス ウィルソン氏によって野球は伝えられ、もちろん当時は野球用語も英語であったはずです。
しかし時は流れ第二次世界大戦中。
日本と敵国であったアメリカの言葉=英語を日本で使用することが避けられていたため、すべての野球用語に漢字が割り当てられたそうです。
その漢字表記を今もテレビ放送などで使用し続けています。
ダブルプレーを併殺、デッドボールを死球、送りバントを犠打etc...うまく漢字にあてはめていますよね。
では次に各ポジションの特徴や適性を解説していきます。
そのポジションの適正は私が思うものですので、もちろん絶対ではありません。自分がポジションを選ぶときには是非やってみたいポジションにチャレンジしましょう!
捕ってから一塁に投げる送球のしやすさから、捕手、二塁手、遊撃手、三塁手の選手は基本的に右利きの選手が守ります。
1.ピッチャー(P)/投手(とうしゅ)
野球というスポーツはピッチャーが投げることによって始まるスポーツです。
攻撃側(バッター/打者)はピッチャーの投げた球を打つことによって点をとりにいきます。
野球はその点の取り合いを制したチームが勝つスポーツなのです。
そのため守る側はどれだけ最少失点にしのげるかが重要で、ピッチャーの能力や調子の良し悪しが最小失点に抑えられるかどうかに直結します。
ピッチャーは球をストライクゾーンとボールゾーンに投げ分け、直球と変化球を駆使して打者に打たれないように球を投げ続けます。
少年野球ではだいたい一番上手い子はまずピッチャーをやりますね。それで大きくなるにつれて向いているポジションに振り分けられていくことが多いです。
現在プロで活躍している打者も、小さい頃~高校まで投手だったという選手は多いです。
より速いボールを投げられるように肩が強く、狙ったところに投げられる制球力があり、かつ何球も投げ続ける体力をもつような選手が好ましく、最も責任の重いポジションのひとつであることから精神的な強さも求められます。
とはいってもマウンドの上に立ち球を投げる様子はやはり野球の一番の花形ともいえるポジションです。
目立つことが好きであったり、相手を負かせて絶対に勝ってやるという気持ちが強い性格。
投手の雰囲気は試合の流れに良くも悪くも影響を与えてしまうので、崩れない前向きな性格。
2.キャッチャー(C)/捕手(ほしゅ)
キャッチャーはピッチャーの投げた球を受け止める重要な役割を持ったポジションです。
どんなに速いボールでも、ワンバウンドしていたとしても、ランナーがいれば後ろに逸らすことはできません。
そして打者は後ろを見ることはできないため、基本的にキャッチャーがピッチャーにサインを出し、ピッチャーがそれに従って球を投げます。
そのためキャッチャーには各打者の傾向を頭に入れ、打者心理を理解したり、冷静な判断力が求められます。
また、守備の時間にただひとり仲間の方を向いてプレーしますので、全体へ指示を出すことも多く、最も野球というスポーツを知っていないとできないポジションです。
ピンチの時に選手たちやピッチャーに声をかける機会も多く、チームメイトを安心させるような人柄も必要です。
また、的が大きい方が投げやすいというピッチャーが多いので、比較的体の大きな選手がキャッチャーをすることが多いです。また、ファールチップがよくキャッチャーには飛んでいくので、体が頑丈な人の方が良いですね。
昔の野球漫画のキャッチャーはだいたい『大柄でのろま』という描かれ方が多かったですね。やっぱりドカベンの山田太郎が代表的でしょうか。ドカベンを呼んだことがない方はこれを機にぜひ。
また、キャッチャーは盗塁を刺すという重要な仕事もあるので、送球が上手く肩が強い必要もあります。
肩が強い(強肩)とは、ボールを強く、速く、遠くに投げられること。
キャッチャーは肩が強い選手が多いため、同じく肩の強さが必要な投手へとコンバート(守備変更)される選手も多くいます。NYヤンキースでプレーした現楽天田中将大投手は中学時代まではキャッチャーだったようです。(現巨人の坂本選手がピッチャーで、田中投手とバッテリーを組んでいました。)
全体をまとめられるリーダー的な性格や、ピッチャーの他の選手たちのクッション材になれるような性格。戦略や駆け引きが好きであること。肩が強い。
3.ファースト(1B)/一塁手(いちるいしゅ)
ファーストが守る一塁は打者が初めに狙う塁ですので、最も送球がくるポジションです。
一方右打者に比べて左打者のほうが少ないことから、打球はあまり飛んでこず、送球をする機会も多くありません。
送球方向が右になるので、左利きの選手の方が守りやすいという特徴もあります。
そのためファーストは送球をしっかりと捕球する能力が必要です。
タイミングが厳しい場合、かなり速いボールやバウンドしたボールを各選手ファーストに投げますが、それをファーストが捕れなければアウトになりませんので、責任のあるポジションです。
キャッチャーと同様に的が大きい方が投げやすいので、ファーストも体が大きい選手の方が向いているかもしれません。
身長が高いと送球が高くなってしまっても安心ですし、体が柔らかいと際どいタイミングの送球でも脚を伸ばしてアウトにすることができます。
また、ファーストは送球を捕るという基本的な動作が多く、俊敏さなどはあまり求められていないので、守備が苦手だけど打力に自身のある選手がつくことの多いポジションでもあります。
チームメイトがボールを投げやすく、何よりも捕球が上手い選手。打力自慢もファースト向き。
4.セカンド(2B)/二塁手(にるいしゅ)
セカンドはショートに比べると打球が飛んでくる回数は少ないのですが、カバーやダブルプレーなど複雑な動きが多く、俊敏性も求められるポジションです。
右打者ではなく左打者の場合、ショートのように打球がよく飛んでくるのですが、送球する一塁への距離がショートよりも近いので、肩が多少弱くても務まるポジションです。
そのため俊敏さはあるけど肩があまり強くない小柄な方がセカンドを選ぶことが多いです。
ダブルプレーの際には二塁から一塁へ投げなくてはいけませんので、肩は強いに越したことはありません。
守備が上手くて足が速く、バントなどの小技が使えるというのがセカンドのイメージでしたね。
近年は楽天の浅村選手やヤクルトの山田選手、DeNAの牧選手など強打のセカンドもでてきていますね。
複雑な動きが多く、派手さはありませんが堅実な守備が必要です。二遊間(セカンドとショート)はいくら打撃が良くても守備がいい加減では試合には出しづらいですね。
5.サード(3B)/三塁手(さんるいしゅ)
サードはファーストと同様に、守備範囲が狭いのでそこまで俊敏さを求められていないのが特徴です。
ファーストは最も送球が来るポジションでしたが、サードはそこまで送球は来ませんが、サードとファーストは打者から近く、痛烈な打球が飛んで来やすいポジションです。
ファーストは左打者の場合ですが、基本的に野球は右打者の方が多いので、サードは最も痛烈な打球が多く飛んでくるポジションです。
そしてその痛烈な打球を後ろに逸らさないためにも、体が大きい選手が選ばれるポジションです。
また一塁までの送球距離が遠いので、肩が強くなければなりません。
ファーストよりは守備のうまさが求められるけども、サードも守備よりは打力が優先されるポジションです。ヤクルトの村上選手はさすがにサードでエラーしてばかりですけどね……
体が大きく肩が強い選手が適しています。痛烈な打球にも怖気づいてしまわず、打球を止められる反応の速さが必要です。強肩で打力のある大柄な選手向き。
6.ショート(SS)/遊撃手(ゆうげきしゅ)
ショートは内野で最も打球が飛んでくるポジションで、まさに内野守備の花形です。
守備範囲が広いうえに一塁までの距離もあるので、俊敏さと肩の強さ、そして堅実な守備が必要不可欠です。
最も打球が飛んでくるポジションなので、ポロポロエラーしていたら雰囲気悪くなりますね。
セカンドのようにカバーやダブルプレーの動きもありますので、野球をよくわかっていなければなりませんし、その都度瞬時の状況判断が求められるポジションです。
内野・外野含めて最も難しいポジションかもしれません。
二遊間は守備が難しいので、どうしても守備型の選手を置いてしまいがちになります。
守備型の選手が多いからこそ強打のショートは貴重ですね。巨人の坂本選手はやっぱり唯一無二な存在だと思います。
守備に自身のある方。ゴロをさばくのが得意で、肩の強さ、送球の正確さにも自信がある。エラーが起こりやすいのですが、ファインプレーも出やすい花形のポジションなので、目立つのが好きな方、自分がチームを引っ張て行くという意志の強い方が向いています。
7.レフト(LF)/左翼手(さよくしゅ)
レフトはショートとサードの後ろにいるポジションですので、外野ではよく打球が飛んでくるポジションです。
打球がゴロであってもショートとサードのポジションのカバーに行かなくてはならないので、外野であってもなかなか油断はできないポジションです。
三遊間(サードとショートの間)を抜けてきた打球を後ろに逸らさず堅実に止める技術が必要です。
レフトから一塁へ送球することはなく、本塁への送球となりますので本塁でランナーを刺す肩の強さも必要です。
どちらかと言えば、三塁と距離の遠いライトの方が肩の強さが求められますね。
外野は内野よりも守備より打力重視の選手を置くことの多いポジションです。
外野フライをそつなくこなし、堅実な守備ができる選手。打力自慢向き。
8.センター(CF)/中堅手(ちゅうけんしゅ)
センターは外野で最も重要なポジションです。
内野の花形がショートであるならば、外野の花形はセンターでしょう。
すべてのポジションの中で最も広い守備範囲ですので、足の速さが必要不可欠です。
左右に飛んだ打球へのカバーにもまわりますので、休んでいる暇がありません。
ホームから最も遠いセンター最深部から送球することもありますので、肩の強さも必要です。
先ほど外野は内野よりも打力が優先と言いましたが、センターに関しては守備力も求められます。
そのためセンターは走攻守そろった万能型な選手が起用されやすいですね。
カバーなど基本的なことを疎かにしない堅実さと走力、肩の強さが必要。とはいっても外野ですので打力も求められる大変さに耐えられる万能な選手。
9.ライト(RF)/右翼手(うよくしゅ)
ライトは基本的にはレフトと一緒ですが、左打者側の守備位置ですのでレフトほどは打球が飛んできません。
セカンドとファーストの打球をカバーする必要はあるのですが、相当打球処理にもたつかない限りはライト前の打球でランナーは二塁には進めません。
しかしライトはレフトよりも肩の強さが求められます。
ランナーが二塁にいるときには三塁に進みやすくするために、右打者であろうと右方向を狙って打ってきます。その時に三塁へ送球したり、ホームに送球してランナーを刺さなくてはなりません。
ホームに帰ってくるランナーを刺せるかどうかですので、失点に直結します。
そのためレフトよりも肩が強く、送球精度に自信のある選手でなくではなりません。
基本的には打力優先で選べるポジションなのですが、肩の強さは重要ですね。
イチローの送球はレーザービームと呼ばれるほど素晴らしかったので、足が速いのにライトのポジションでしたね。
基本的には守備よりも打力優先のポジション。でも得点に絡む送球が多いので、肩の強さが求められます。
最後に
この記事では野球のポジション番号や漢字表記、各ポジションの特徴などを解説させていただきました。
各ポジションの適正もお伝えしましたが、一番は自分のやりたいポジションを守ることだと思います。
しかしチーム事情や適性などでやりたいポジションを守れないこともあると思います。
そうなってしまったとしても、どのポジションにもそれぞれ魅力があります。
野球はどれか一つのポジションでも欠けてしまったら勝てません。
すべてのポジションが重要なチームスポーツですので、どのポジションを守ったとしても、All for one、One for all(ひとりはみんなのために、みんははひとりのために)の気持ちで乗り越えていきましょう。
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