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野球のポスティングシステムについてわかりやすく解説!海外FAとの違いも

野球のあれこれ

スポーツニュースを見ていて、海外FAを待たずにポスティングシステムを利用、という表現を聞いたことがあるのではないでしょうか。

このポスティングシステムは日本のプロ野球(NPB)からアメリカのメジャーリーグ(MLB)に挑戦したい選手たちにとっては重要な制度なのです。

この記事ではこのポスティングシステムについてわかりやすく解説させていただきます。

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ポスティングシステムとは

ポスティングシステムとは海外FA権を取得する前にメジャーリーグ(MLB)へと移籍できる制度です。

FA(フリーエージェント)とは一定の条件を満たした選手が他球団と契約できる権利のことです。FAには国内の球団限定の国内FAと、国内外の球団と契約できる海外FAがあります。

このポスティングシステムを利用することによって、選手たちは若いうちにメジャーリーグへと挑戦することができます。

なるべく身体能力が全盛期のときにメジャーへと挑戦したい選手は多いので、このポスティングシステムを利用したい選手たちは少なくありません。

海外FA権を取得するためには145日以上の1軍登録が9シーズンを越えることが必要であるため、若いうちにメジャーリーグに挑戦することができません。(高卒プロ入りでも最短27歳、大卒なら31歳。)

ポスティングシステムを利用するためには球団からの許可が必要であるため、利用を希望する選手は利用時期等の条件を球団と交渉する必要があります。

海外FAを取得してメジャーリーグへ移籍した場合、元の球団へ金銭は発生しませんが、ポスティングシステムを利用した場合譲渡金が元の球団に支払われるので、ポスティングシステムを利用させてくれた球団への恩返しとして譲渡金を残すことができます。

海外FAでは所属球団に移籍金が発生しないので、所属球団のメリットはほとんどありません。

ポスティングシステムの流れ

ポスティングシステムの流れをわかりやすく説明させていただきます。

①所属球団がポスティングシステムの利用を認める

ポスティングシステムを利用すると球団にお金は入りますが、戦力が下がるのは必須です。そのため球団との話し合いでポスティングシステムを利用する時期などを決めます

②球団がMLBにポスティングシステム利用を申請する

球団が利用を許可した場合、NPBを通じてMLBにその選手が契約可能である旨を告知します。

③MLB球団と選手が交渉開始

MLB球団に通知後30日間の交渉期間中に、譲渡金を支払う意思のあるMLB球団と交渉します。

基本的に選手は代理人をたてて、代理人がなるべく好待遇・高額な契約をとれるように交渉を行います。

④MLB球団と選手が契約合意し、譲渡金が支払われる

契約合意に至った場合、MLB球団から所属球団へ譲渡金(移籍金)が支払われます。

この譲渡金は以前上限が2000万ドルだったのですが、現在は選手契約額と譲渡金が連動する制度になりました。

譲渡金の計算

・選手契約額が2500万ドル以下:金額の20%
・選手契約額が2500万ドル~5000万ドル:2500万ドルに20%、残りの2500万ドル以内に17.5%。
・選手契約額が5000万ドル以上:2500万ドルに20%、残り2500万ドルに17.5%、5000万ドルひいた残りに15%。

例えばオリックスからポスティングシステムを利用して、レッドソックスへ移籍した吉田正尚選手の選手契約金は9000万ドルでした。

このときにオリックスが受け取る譲渡金は2500万×20%+2500万×17.5%+4000万×15%で計算できます。合計1537万5000ドルもの譲渡金がレッドソックスからオリックスへと支払われたのです。
※1ドル=148円換算で約22億9000万円

しかし上記の計算で譲渡金が発生するのはメジャー契約かつ、25歳以上でNPB在籍6年以上という条件が付いています。(マイナー契約の場合、契約金の25%が譲渡金。)

ここで注意が必要なのが25歳ルールです。

25歳ルール

メジャーには25歳ルールというものがあり、それは「25歳未満の選手は契約金を制限する」というものです。

そのため25歳未満でポスティングシステムを利用した場合、選手契約金は非常に少額となり、所属球団に残せる譲渡金はわずかな金額となってしまいます。

この25歳ルールの存在により、25歳未満の選手にポスティングシステムの利用を許可する日本の球団はほとんどないということができます。

じんから
じんから

大谷選手は23歳でマイナー契約としてメジャーに行きました。契約金は少なかったのですがメジャーで早くプレーする夢を獲ったのでしょう。それを許可した日ハムも称賛したいですね。

ポスティングシステムを利用した主な選手

ポスティングシステムはオークション形式や球団が譲渡金を決める方式を経て譲渡金連動方式になりました。

ここでは譲渡金連動システムで移籍した選手を紹介します。

名前所属球団移籍先譲渡金額
2018菊池雄星西武マリナーズ1027万5000ドル
2019筒香嘉智
山口俊
DeNA
巨人
レイズ
ブルージェイズ
240万ドル
127万ドル
2020有原航平日ハムレンジャーズ124万ドル
2021鈴木誠也広島カブス1462万5000ドル
2022吉田正尚
藤浪晋太郎
オリックス
阪神
レッドソックス
アスレチックス
1537万5000ドル
65万ドル
じんから
じんから

何千万ドルという大金をお世話になった球団に残せるのは、ポスティングシステムの利点ですね。

最後に

この記事ではメジャー移籍を目標とする選手たちにとって重要なポスティングシステムについて解説させていただきました。

もし自分がメジャー希望の選手だったら身体能力が落ちる前にメジャーに挑戦したいですよね。

そのような選手たちや送り出す球団のためにあるのがこのポスティングシステムなのです。

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