野球には犠牲フライと呼ばれる記録があります。
この犠牲フライは漢字で犠飛(ぎひ)と書く打者記録のひとつなのですが、どういう場面で何をすると犠牲フライになるのでしょうか。
この記事ではそんな犠牲フライについてわかりやすく解説させていただきます。
犠牲フライとは
犠牲フライ(犠飛:Sacrifice Fly /SF)とは打撃記録のひとつです。
ノーアウトまたはワンアウトのときに、打者が外野にフライまたはライナー性の打球を打ち、捕球されて打者がフライアウトになりながらも、捕球後にランナーが本塁に帰還して点が入ったときに、打者に犠牲フライの記録が付きます。
ただフライを打ってランナーを進塁させれば良いわけではなく、ランナーが本塁に帰還し点が入ることと外野に打球が飛ぶことが必要です。
・外野フライの捕球後、ランナーが本塁に帰還しなければ犠飛にはならない。
・内野フライでは犠飛にならず、外野に飛んだフライでなくてはならない。
外野に飛んでいれば、内野手が下がって捕球しても犠飛として記録されます。
ファールフライの場合も外野まで飛んでいてランナーが帰ってくれば、犠飛が記録されます。
内野のファールフライを捕球後ランナーが本塁に帰還した場合、打点はつきますが犠飛はつきません。
犠牲フライは得点が入らないと記録されませんが、犠牲バント(犠打)は得点が入らなくてもランナーを進めれば記録されます。
打率への影響
犠牲フライは打数に含まれないため、四死球と同様に打率には影響しません。
打数と打席数の違いについてはこちらを参考にしてください。
犠飛は打率への影響はありませんが、出塁率には影響を与えます。
出塁率=(安打+四死球)÷(打数+四死球+犠飛)
出塁率の計算で犠飛は分母に加えられるので、犠飛を打てば打つほど出塁率が下がり、打率との差も広がっていきます。
打者評価指標のひとつであるOPSにはこの出塁率が大きく影響するので、犠飛が多いと数値上は喜ばしくないですね。
OPSについてはこちらを参考にしてください。
NPBにおける犠牲フライの記録
NPBにおける犠牲フライの記録を見ていきましょう。
犠牲フライが多い選手は、チャンスでしっかりと最低限の仕事をこなしているので、もっと評価されてもいいのではないでしょうか。
順位 | 名前 | 通算本数 |
1位 | 野村克也 | 113 |
2位 | 加藤英司 | 105 |
3位 | 王貞治 | 100 |
ランナーが三塁にいる機会が多いからか、やはり主軸を打っていた選手ばかりですね。
次はシーズン記録です。
順位 | 名前 | 球団 | 本数 |
1位 | 大杉勝男 | 東映フライヤーズ | 15(1970年) |
2位 | 中田翔 | 日ハム | 13(2018年) |
3位 | 佐々木恭介 原辰徳 江藤智 ローズ | 近鉄 巨人 広島 横浜 | 12(1975年) 12(1991年) 12(1995年) 12(1996年) |
シーズン最多は日ハムの前身である東映フライヤーズにいた大杉勝男さんです。
2023年セリーグトップの犠飛が阪神大山選手の8、パリーグトップがオリックス森選手の7ですので、シーズン記録の15本がどのくらい多いかは想像できると思います。
大杉さんだけに多過ぎ~!
最後に
この記事では打者記録である犠牲フライについてわかりやすく解説させていただきました。
チャンスでホームランを打つ選手はもちろんすごいのですが、犠牲フライでしっかりと仕事をこなす選手もすごいのです。
犠牲フライを知って、いつもと違う側面からも野球を楽しみましょ~。
コメント