韓国では来季からロボット審判とピッチクロックを導入することが発表されました。
ロボット審判は何となく意味が浮かびますが、メジャーでも2023年から導入されているピッチクロックとはどういったものなのでしょうか。
この記事ではピッチクロックについてわかりやすく解説させていただきます。
ピッチクロックとは
ピッチクロック(Pitch Clock)とは、MLBで2023年シーズンから導入された新しい野球ルールのことで、投手が打者に球を投げるまでの時間を制限するルール(投球時間制限)です。
投手がボールを受け取ってからカウントダウンが始まり、ランナーがいない場合には15秒、ランナーがいる場合には20秒以内に投球動作に入らなくてはなりません。
走者なし | 走者あり | |
---|---|---|
投手が投げるまで | 15秒以内 | 20秒以内 |
ランナーがいるときに投手が牽制する、またはプレートから足を外すとカウントはリセットされます。
このピッチクロックは投手だけに関係があるわけではなく、打者は残り8秒までに打席に入らなくてはなりません。
投手側が違反した場合にはボール、打者側が違反した場合にはストライクが自動的に加算されます。
ピッチクロックのいい点
野球は数あるスポーツの中でも、時間制限のない珍しいスポーツです。
そのため試合の決着がつくまでに長時間を要することが多く、それが野球離れの一因になっていると言われています。
その試合時間を短縮するために導入されたものの一つがピッチクロックです。
実際MLBで規定投球回数を越えている選手のほとんどが、以前は投球までに20秒以上かけていたというデータがあります。各投手投げるまで早くなることによって、試合時間は短縮されるはずです。
メジャーでは2023年からピッチクロックが導入され、2022年と2023年のオープン戦の平均試合時間は26分も短くなったようです。
ピッチクロックの悪い点
ピッチクロックが導入され、慣れるまで多くの投手・打者が宣告されています。
そのため指摘してピッチクロックを宣告している時間は、より試合時間を延長する要因になるのではないか、という意見もあります。
また、ピッチクロックを導入することによって投手が思うタイミングで投げられず、打者との駆け引きの希薄化も指摘されています。
野球ファンの中には、チャンス・ピンチでの投手と打者の間を楽しんでいる、という方もいます。
そういった方にとっては厳格なテンポアップは勝負に水を差されるように感じるのかもしれません。
さらに観客からのカウントダウンコールなど、今までなかった要素が試合に影響することになります。
ツインズファン、ピッチクロックのタイマーをカウントダウンして相手投手を焦らせる!
— スポング|Spong (@Spong_media) October 13, 2023
これはピッチャー嫌そうw
🎥@MLBONFOX #アストロズ
pic.twitter.com/vXa0NOUWnW
そういうのがあると本拠地のチームがさらに有利になります。カウントダウンされると投手は同様しちゃいますよね。
日本でのピッチクロックの導入は
日本のプロ野球ではすでにピッチクロックと似た15秒ルールというものが2009年より導入されています。
こちらはランナーがいない状況の場合、投手は捕手からボールを受けて15秒以内に投球しなければならないというルールです。
15秒経っても投げなかった場合には、球審からボールが宣告されます。
あまりプロ野球を観ていても15秒ルール適用は見かけませんね。
しかし実際、日本の15秒ルールはあいまいなものとなっているので、メジャーと同じようにカウントダウンするなど可視化して、ピッチクロックとして厳格にルール化する可能性はあります。
日本のプロ野球も4時間を越える試合があるなど、長時間の試合によるファン離れを止めるためにもピッチクロックの導入が検討されています。
社会人野球では2023年の都市対抗野球大会からピッチクロックを導入。クロックボードが設置されています。ランナーなしで12秒以内、いる場合には20秒以内と規定。ランナーなしの場合は1回目からボール宣告。ランナーのいる場合は一回目は警告、二回目からボール宣告。
最後に
この記事ではピッチクロックについてわかりやすく解説させていただきました。
メジャーリーグでは2023年から導入され、韓国プロ野球でも2024年から導入されるようですので、日本でも近い将来導入されることになると思います。
ピッチクロックによって野球を観る方が増えると良いですね。
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