ヤクルトスワローズは3月31日付けで育成3年目の岩田幸弘選手と支配下選手契約を結んだことを発表しました。岩田選手が支配下登録されたことで現在育成選手登録となっているのは7名になりましたが、同じチーム内でも支配下登録と育成契約とでは大きな違いがあります。
育成選手はプロではない?
福岡ソフトバンクホークスの和田毅選手は2023年12月に行われた契約更改交渉後の会見で「育成の選手はプロ野球選手ではないと思っている」と発言し話題になりました。プロ22年目を迎えた今も尚活躍し、常に結果で応えてきた選手の言葉ですからやはり重みがありますね。では“育成選手”は支配下登録選手とは具体的にどのように違うのでしょうか。
支配下選手登録とは
まずは支配下選手登録について改めて確認しておきましょう。
支配下選手登録とは一軍と二軍を合わせた全選手のことを指します。この中から出場選手登録される選手が選ばれます。出場選手登録をされると一軍の試合に出場が可能になります。そして出場登録から外すことを“登録抹消”と言います。※選手登録については下記の記事に詳しくまとめています
出場登録されている選手が“一軍選手”と呼ばれている選手になりますね
支配下登録可能人数は?
支配下登録選手は1球団につき70名までと決められており、NPBで統一契約書に基づいた契約を結びます。契約期間中は所属するチームの選手としてペナントレース、オールスターゲーム、日本シリーズに出場する義務を負います。(外国人選手にも適用される)
岩田選手が新たに支配下登録されたので、ヤクルトスワローズの支配下登録人数は67人になりました。残り3枠は誰が選ばれることになるのでしょうか。
ヤクルトスワローズのように1軍も2軍も怪我人を多数抱えた状態だと支配下登録可能な人数を増やせるといいのにとも思いますが、支配下登録選手を増やしても出場登録選手も増やせないと意味がないかもしれませんね。
※2024年度の出場選手登録の上限は31人、ベンチ入りは26人、外国人選手は5人となっています。
支配下登録選手の最低保証年棒は?
支配下登録選手の最低保証年俸は420万(月収35万)となっています。また、年俸1600万円以下の選手については、出場登録された場合に“出場選手追加参稼報酬”が支払われることになっています。
育成選手契約とは
育成選手制度とは、実戦よりも育成を目的とした選手契約のための制度ですが、育成契約を行う目的については厳しく定められているわけではありません。
怪我や手術により長期離脱が予測される選手や、他球団を自由契約になった選手と育成選手契約を結ぶケースも多くあります。
背番号は3桁
2010年11月9日以前は100番以降の背番号を使用することになっていましたが、球団スタッフの背番号と差別化しやすくするために00から始まる背番号についても使用が認められるようになりました。
1軍の試合に出場することはできない
育成契約選手が出場できるのは2軍の試合のみです。また上限は5人までというルールがあります。
育成契約選手の最低保証年棒は?
育成契約選手の最低保証年俸は230万となっています。育成契約における年俸の上限はないため、外国人選手と育成契約を結ぶ場合や、怪我などによる長期離脱を理由に育成契約になる場合には育成契約選手の年俸ではあってもかなり高額になる場合があります。
育成契約には契約金もありませんが新人選手に対しては支度金として標準300万円が支払われます。
契約期間は?
育成契約期間は最大で3年というルールがあり、以降は自由契約となります。再度同じ球団と育成契約を結ぶことも可能です。
育成契約選手を支配下登録選手として登録可能なのは7月31日まで
育成契約選手を支配下登録選手として登録可能なのは7月31日までと定められています。
昨シーズンのヤクルトスワローズで新たに支配下登録されたのは丸山翔太選手と山野太一選手でしたね。今年は岩田選手以外に誰が支配下登録されるか楽しみです!
今シーズンも大活躍の予感、小澤怜史選手はソフトバンクに入団後3年目に育成契約となりましたが育成契約2年目に戦力外通告を受けています。
その後ヤクルトスワローズと育成契約を結び、ヤクルトスワローズとの育成契約2年目シーズン途中に支配下登録されましたね!先発ローテの一角を担う現在までの道のりは険しいものだったかもしれませんが、ヤクルトスワローズに来てくれたことを嬉しく思っているファンは多いです。これからも活躍を期待しています!
各球団の育成契約選手は何人?
・ヤクルトスワローズ 7名
・阪神タイガース 9名
・読売ジャイアンツ 38名
・広島東洋カープ 12名
・横浜DeNAベイスターズ 18名
・中日ドラゴンズ 18名
・福岡ソフトバンクホークス 54名
・オリックスバッファローズ 17名
・埼玉西武ライオンズ 25名
・北海道日本ハム 17名
・東北楽天ゴールデンイーグルス 12名
・千葉ロッテマリーンズ 18名
改めて見てみると各球団でかなり差がありますね。
ヤクルトが少なすぎるのか、ジャイアンツやソフトバンクが多すぎるのか。。。
和田選手の「育成選手はプロ野球選手ではないと思っている。育成選手という自覚を持って練習をしないと終わってしまう。」という発言については育成選手に対して奮起を促す意味であったと思いますが、四軍制を導入し育成契約選手を増やした球団に対する疑問符の投げかけでもあったのではないでしょうか。
どんなにたくさん育成選手がいたとしても支配下登録を勝ち取る選手はごく僅かです。競争相手が多いからこそ、より貪欲に支配登録の座を掴みに行かないといけませんよね。
各球団の支配下登録選手は何人?残り何枠?
・ヤクルトスワローズ 67名(残り3枠)
・阪神タイガース 65名(残り5枠)
・読売ジャイアンツ 65名(残り5枠)
・広島東洋カープ 68名(残り2枠)
・横浜DeNAベイスターズ 65名(残り5枠)
・中日ドラゴンズ 67名(残り3枠)
・福岡ソフトバンクホークス 65名(残り5枠)
・オリックスバッファローズ 66名(残り4名)
・埼玉西武ライオンズ 64名(残り6枠)
・北海道日本ハム 66名(残り4名)
・東北楽天ゴールデンイーグルス 64名(残り6枠)
・千葉ロッテマリーンズ 67名(残り3枠)
次なる育成の星を目指せ!
育成出身のスター選手と言えば、千賀洸大選手、甲斐拓也選手の名前が真っ先に挙がると思いますが、次なる育成の星となるのは誰になるでしょうか。支配下登録のニュースを心待ちに、これからも育成契約選手を応援していきましょう!
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